保険整理ナビ

保険整理ナビ/記事/状況別の整理

状況別の整理約7分

60代の保険、払い続けるべきものと今すぐやめていいものの見分け方

定年を迎える60代は、現役時代の保険を一度リセットする最後のチャンス。収入・公的保障が大きく変わるこの時期に、何を残し何を手放すべきかを具体的な判断基準で整理します。

60代は保険の「出口」です。50代で見直しをしなかった人も含め、定年前後は収入・公的保障・貯蓄状況が一気に変わるため、現役時代に組んだ保険をそのまま持ち続けることが最もリスクになる時期です。

60代で起きる「保障環境」の変化

60代前後で、保険の前提条件が大きく変わります。

| 変化 | 内容 | |---|---| | 収入の変化 | 定年退職・再雇用・年金受給開始で収入が減少 | | 健康保険の変化 | 会社の健康保険 → 国保または後期高齢者医療制度へ移行 | | 傷病手当金の終了 | 会社員を退職すると傷病手当金が使えなくなる | | 就業不能リスクの変化 | 定年後は「働けなくなるリスク」より「長生きリスク」が主になる | | 死亡保障の必要額 | 子どもが独立・住宅ローン完済で大幅に低下 |

30〜40代に加入した保険が60代の実態に合わなくなっているケースは非常に多い。「払い続けているから大丈夫」ではなく、「今の自分に何が必要か」を再出発点にして考えましょう。

今すぐやめていい保険の候補

① 子育て期の死亡保障(定期保険・収入保障保険)

定期保険や収入保障保険は、子育て期の「残された家族の生活費を補填する」目的で加入するものです。

子どもが独立しているなら、その目的はすでに達成されています。配偶者も収入や年金を持っているなら、死亡保障の必要額は大幅に下がっています。遺族年金の受取額を確認した上で、民間の死亡保障が本当に必要かを計算し直しましょう。

確認の目安:

| 状況 | 判断 | |---|---| | 子どもが独立・住宅ローン完済・貯蓄が十分 | 死亡保障は不要または大幅減額 | | 配偶者が専業主婦(夫)で収入がない | 遺族年金との差額を補填する最小限の保障を残す | | 住宅ローンが残っている | 団信の残保障額と照合して過不足を確認 |

② 60歳・65歳で終期が来る就業不能保険

就業不能保険は定年を保障の終期として設計されていることが多い。すでに終了していれば継続する必要はありません。定年後も再雇用などで働いている場合は、保障期間と実態が合っているかを確認してください。

③ 保険料が家計を圧迫している貯蓄型保険

終身保険・養老保険・学資保険などの「貯蓄型」保険は、低金利環境で契約した場合、実質利回りが低くなっています。終身保険の返戻率と現在の解約返戻金を確認して、続けることにどのくらいの意味があるかを問い直す時期です。

解約前の注意点

貯蓄型保険の解約返戻金は加入期間が長いほど増えるため、「もうすぐ返戻率が最大値を超える」タイミングで解約するのは損です。保険を解約してもいいか迷ったら確認する5つの問いで判断軸を整理してから動きましょう。

60代も続けた方がいい保険

① 医療保険(ただし内容を見直す)

60代以降は医療費がかかりやすくなります。ただし、高額療養費制度により月の自己負担には上限があります(70歳以上はさらに上限が下がります)。

判断基準:

  • 貯蓄が300万円以上あれば、医療保険なしでも入院の自己負担は対応できることが多い
  • 医療保険の保険料が月1万円を超えているなら、費用対効果を確認する
  • 高度先進医療・抗がん剤などの「特約」が多重になっていないかを点検する

医療保険を継続する場合も、「保障内容が現在の治療実態に合っているか」を保険会社に確認しましょう。

② 介護への備え(状況による)

公的介護保険(40歳から加入義務がある制度)は、要介護認定を受けると介護サービスを一定の自己負担割合で利用できます。ただし、施設入居を希望する場合や自宅改修費用が必要になる場合には、自己負担が積み重なることがあります。

民間の介護保険の必要性は、貯蓄水準・住む場所・家族のサポート状況によって異なります(→ 民間の介護保険は本当に必要か?)。

定年後の健康保険の切り替えも忘れずに

会社を退職すると、それまで加入していた健康保険(協会けんぽや組合健保)から外れます。次の選択肢を確認してください。

  1. 01任意継続被保険者:退職後2年間、元の健康保険を継続できる(保険料は全額自己負担)
  2. 02国民健康保険:市区町村に加入(前年所得をもとに保険料が決まる)
  3. 03家族の扶養に入る:配偶者が会社員の場合、扶養に入れる条件を確認

健康保険の仕組みの詳細も合わせて確認しておきましょう。

60代の保険整理の手順

  1. 01現在の加入保険をすべてリストアップ(保険証券・年払証明書)
  2. 02死亡保障の必要額を再計算(遺族年金・貯蓄・ローン残高を踏まえて)
  3. 03就業不能保険の終期・対象を確認(定年後も必要かを判断)
  4. 04医療保険の保険料対効果を確認(貯蓄水準と照合)
  5. 05貯蓄型保険の返戻率と解約タイミングを確認
  6. 06受取人の設定が最新の状態かを確認

まとめ

60代の保険整理は「死亡保障を大幅に減らし、医療・介護への備えだけ残す」がおおよその方向性です。現役時代に組んだ保険をそのまま持ち続けることが、老後資金を圧迫する最大の原因になることがあります。定年前後の数年で一度全体を棚卸しすることが、60代の最優先事項です。

関連記事

年齢・家族構成・貯蓄額・ローンの有無を入力して、今の保険が過剰か不足かを確認できます。

保険必要度診断を受ける
保険整理ナビ編集部

Webエンジニア・個人運営。保険は「整理してから比べる」をコンセプトに情報を発信しています。

プロフィール →