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就業不能保険の選び方:免責期間と保障額の決め方

就業不能保険は「いつから・いくら・どのくらい」を自分の貯蓄と公的保障に合わせて設計するのが鉄則。選ぶ前に知っておくべき3つの数字を解説します。

病気やケガで長期間働けなくなるリスクは、死亡リスクよりも実は高い。しかし就業不能保険はしくみが複雑で、自分に必要な設計を理解しないまま加入すると「払いすぎ」か「保障が足りない」になりがちです。3つの数字を整理してから選びましょう。

まず知るべき3つの数字

就業不能保険を選ぶ前に、以下の3つを把握することが前提です。

① 公的保障でいくらカバーされるか 会社員なら傷病手当金があり、働けなくなってから最大18ヶ月、収入の約2/3が補填されます。月収30万円なら月20万円が給付される計算です。

フリーランス・自営業は傷病手当金がないため、公的補填がゼロからのスタートです(→ フリーランスが考えるべき保険の整理)。

② 毎月の生活費はいくらか 家賃・食費・光熱費・ローン返済など、働けない期間も止められない固定費の合計を把握します。この金額から①を引いた差額が「民間保険でカバーすべき金額」です。

③ 貯蓄はどのくらいあるか 緊急予備資金(生活費6ヶ月分)があれば、傷病手当金が切れるまでの期間をつなぐことができます。貯蓄が多いほど、保険の保障額・期間は絞れます。

免責期間の選び方

就業不能保険には「免責期間」(支払いが始まるまでの待機期間)が設定されています。一般的には30日・60日・90日・180日などから選びます。

免責期間が短いほど保険料は高くなります。

選び方のポイント:

  • 会社員で傷病手当金がある場合:最大18ヶ月の補填期間があるため、免責期間を傷病手当金が切れた後に設定するのが合理的。60〜90日の免責期間で十分なケースが多い
  • フリーランス・自営業の場合:公的補填がないため、30日の短い免責期間か、貯蓄で対応できる期間に合わせて設定する
  • 貯蓄が6ヶ月分以上ある場合:180日免責でも対応できる可能性がある。保険料を抑えられる

保障額の決め方

保障額は「毎月の生活費 − 公的補填額」が基本です。

例:月収35万円、生活費25万円の会社員の場合

  • 傷病手当金:35万円 × 2/3 ≒ 23万円/月
  • 生活費との差:25万円 − 23万円 = 2万円/月が不足
  • この場合、就業不能保険で月2〜5万円程度を補う設計で十分な可能性がある

保障額を必要以上に大きくすると保険料が高くなるだけです。現在の生活費と公的補填の差額を計算してから保障額を決めましょう。

保障期間の選び方

「いつまで保障を受けられるか」も重要な選択肢です。

  • 2年型・5年型:保険料が安いが、長期の就業不能には対応できない
  • 60歳まで・65歳まで(長期型):保険料は高くなるが、重大な疾病で長期離脱した場合に備えられる

判断の目安:

「精神疾患」の保障範囲を確認する

うつ病・適応障害など精神疾患による就業不能は増加しています。就業不能保険の中には精神疾患を保障対象外にしている商品があります。

選ぶ際は精神疾患が対象に含まれているかどうかを必ず確認しましょう。含まれている商品は保険料がやや高くなりますが、現代の就業不能リスクに対応できます。

傷病手当金との連携設計(会社員向け)

会社員にとって最も効率的な設計は、傷病手当金と就業不能保険を組み合わせることです。

傷病手当金(公的):最大18ヶ月、収入の約2/3 ↓ 18ヶ月後に切れる 就業不能保険(民間):その後の収入補填を担う

この設計なら、就業不能保険の免責期間を18ヶ月に設定でき、保険料を大幅に抑えられます。ただし、18ヶ月間の貯蓄でのつなぎ期間も考慮しておく必要があります。

医療保険との違いを整理する

就業不能保険と医療保険は役割が異なります。

  • 医療保険:入院・手術・通院にかかる「医療費」をカバー
  • 就業不能保険:働けない期間の「収入の減少」をカバー

働けない期間の問題は「治療費」よりも「収入の喪失」の方が家計へのインパクトが大きいことが多い。医療保険は本当に必要か?の記事と合わせて、どちらを優先するかを判断してください。

まとめ

就業不能保険は「免責期間」「保障額」「保障期間」の3つを自分の状況に合わせて設計することが重要です。会社員なら傷病手当金との連携で保険料を抑えられます。フリーランスは公的補填がないため、より手厚い設計が必要になります。精神疾患の保障範囲は必ず確認しましょう。

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